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The Secret Life of Bees 『リリィ、はちみつ色の秘密』

原作の小説のタイトルが映画のタイトルそのままになっています。蜜蜂の生活(Life)と登場人物たちの人生(Life)が比喩的に表現されてるのですが(実際、監督もインタビューでそういうようなことを言っていたし。)「はちみつ色の秘密」だと意味がわからないです。

DVDの裏の解説は「少女の過去に隠された<家族の絆>を繊細に…」とか書いてありますが、うーん、どこが?「やがて彼女は母にまつわる驚くべき真実を知り…」???別に驚くべきでもなかったし、そこがメインの映画じゃないと思うんですけど。。。

1964年、Civil Rights Movement のまっただ中の時代に、力強く賢く生きた黒人女性たちの家族のあり方、そして彼女らが、自らの家庭で虐げられた白人少女に与えた大きな愛の物語、だと私は感じました。

監督、脚本家、原作者、製作者のインタビュー映像も全て見ましたが、「少女の過去に隠された<家族の絆>を」描いているなんて一人も言ってませんでしたよ。

黒人のおばちゃんらしいビッグ・マザー的な存在の長女、神経質だけど家族思いの音楽家の次女、亡くなった双子の姉妹の悲しみや誰かの感情への共感が豊かな一番下の妹。
両親を亡くしているけれど、蜂蜜を売って文化的で教養のある生活をしている素敵な黒人姉妹のところに、主人公の白人少女とその子のお家の召使いだった黒人少女が舞い込んで物語が始まる。

それぞれ抱えている深い痛み、傷が、ひとつの家で過ごす時間と日々の労働を通して癒されていく。その過程で、人種や血縁を超えて、彼女らが家族となっていく。

60年代の黒人女性家族の姿がメインなのに、DVDの日本語解説にはヒトコトも書いてない。なんでなんだろう?どうして、こうなんだろうか、日本って。日本語の情報って、嘘か薄っぺらい表面的なものばかり。最近。ため息。

帰国してから、映画は英語字幕・音声で見ているのですが、これは日本語だとどういうふうに訳してるんだろうって思うところは一度止めて日本語字幕も見ています。

日本語字幕で見ると文章の意味(含蓄)が半分位になってしまっているような感覚を覚えます。プロの翻訳家が訳してもこうなるのか、翻訳って難しいんだな、と思わされます。私は、3年間アメリカに一人で住んで、英語で英語を理解する力を身につけさせてもらってほんとうに感謝なことです。

特に、revelation とかキリスト教用語の意味合いっていうのは、翻訳じゃ全然伝わりませんもんね。

今日のブログの記事のタイトルは、物語の中で黒人おばちゃんが白人少女に語る言葉ですが、日本語字幕では「ハチも愛されたいのよ」となっていました。会話の文脈を重視したのでしょうけど、、いやー、、どうなんでしょうか。

「すべての小さな者たちは(どんな小さな者たちでも)愛されることを望んでる」So do we. (わたしたちもそうよね?)っていう意味を込めた言葉だったんじゃないのかなぁ。
とまあ、いろいろ、突っ込みながら見ました(笑)

一人ひとりが自分の役割を果たし、傷と向き合い、自分のやり方で前に向かっていこうという強い意志、気概が感じられた映画で、とても励まされました。私にとってはかなり好きなタイプの映画です。もうすぐ「Selma」が盛岡でも上映されるはずだから、その前に見るのに格好の映画でした。

宮本輝の小説も、こういう再生の物語が多い気がしますね。日本の小説の場合は、あまり人種の問題は絡んでこないけれども。

私も留学中、黒人女性の友達のご家庭で癒やされた経験があります。南部の黒人の人達が好んで食べる伝統料理、ソウルフードもいただきました。特典映像で役者の一人も言ってましたが、決して健康的ではないんですけどね(笑)私、コーンブレッドはアメリカの家庭料理の中で一番好きかも。

アメリカの黒人コミュニティが経験してきた苦難の日々。今なお、その不正義は続いている。私たち日本に住む者たちの中には「日本にはそういう差別はないし、なかった」なんて軽々しく言っちゃう人たちがいるけど、いたでしょう?いるでしょう?

「差別なんてない」という見せかけの現実で生き続ける日本人と、自分たちの負の部分に向き合おうとするアメリカ人。

アメリカ政府は悪いこともいっぱいしているけど、良心的なアメリカ人たちの、問題から逃げないであがいて動く姿勢からは、大いに学ぶ必要があると思いますね。

もちろん、日本にもそういう人たちは少なからずいますけども!少なすぎるかも…。


http://m.imdb.com/title/tt0416212/

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