カムアウトとAsh Beckham TEDトーク


Ash Beckham: We're all hiding something. Let's find the courage to open up
TEDxBoulder 2013 · 9:22 · Filmed Sep 2013
Subtitles available in 16 languages




私が説明したのとは逆の方向からのカムアウトへの視点。カムアウト=人に自分の真実を言えないで暗いクローゼットの中にいる状態から自分を解き放つという経験は、人生の中で誰でも一度は経験することだ、という視点からのスピーチです。

確かに、私たちは、辛さを比較することをある時点ではやめなければいけないかもしれない。確かに、これはそのとおりだとは思う。—「自己破産をしたことを告白する方が浮気を告白するよりつらいなんて言えますか?あの人が打ち明けることの方が5歳の子どもに離婚を話すよりつらいと言えるでしょうか?どちらがつらいかではなくただつらいんです」—(transcriptからの引用。http://bit.ly/1s1dQ2j


でも、なんだろう、アメリカで「みんな、辛いことは辛いんだ」と語るのと、日本で「みんな辛いんだ」と語るのは、何かがちがうと感じる。

なにがちがうんだろう?


なんか、いずいんだよね!?
うーん、なんだろ?
てか、そこにバナナ落ちてるっぽくない?
http://www.yunphoto.net/jp/photobase/yp3445.html


アメリカ文化、社会と日本の慣習、社会。

アメリカは個人主義が強い。Individualism ですね。
個性は、個性。私が考えること、感じること、私であることは自分であることの基本であるがゆえ、お互いに、それぞれの「私」を「集団=共同体」のために過度に犠牲にしたりはしない。相手をむやみに傷つけない限り、その地域でゆるされる程度の常識の範囲内において、私がなにをするのも私の自由である。

私の人生における判断は、私が決める。
みんな肌の色は最初からちがうし、髪の色だってちがう。日常生活のなかで、ごく当たり前に、身体的にちがう人と一緒に、ちがう人を目撃して、生きている。


日本はどうでしょう。
家族みんな、同じ肌の色、髪の色、同じ言葉をしゃべる。お隣さんも、そう。学校・会社に行ってもみんな(マジョリティ)黒い髪、黒い目。中学校ではほとんどの子どもたちが制服を着て同じ格好をする。クラスでは「一人はみんなのため。みんなは一人のため。」などの標語が掲げられ、私たちは常に共同体の中で生きているということが強調される。

私が私の人生を決定することが最優先ではなく、私は、私たちの家族や社会との関わりの中で生きていく。「私たち」という言葉を頻繁に使うことが多い。
たいへんコミュニティ意識が強い社会ですよね。


アメリカ社会と日本社会を比べて、どちらが「いい・わるい」とかいう話をしようとしているのではありません。どちらにも美点・弱点はあります。

LGBTが、
あなた個人は共同体の中で違っていて当然・あなたはあなたでいてオッケー ( `д´)b!というのが前提の社会でカムアウトするのと、

あなたは共同体の中に属してはじめて、あなた個人として認められますよという社会でカムアウトするのでは、

やはり、ちがうということをいいたいのです。


アメリカは、アメリカ人である前に自分である。
日本は、自分である前に日本人である。
って感じ。


日本において、このような個人と共同体との関係をよく考えず、Ash BeckhamのTEDトークを直輸入して「みんな辛いんだ」を語ってしまうと、それはLGBTへの同調圧力にしかなりません。

Ash Beckhamの意見には、基本的には賛成。どんな人にもしんどいカムアウトをしなければならない時がある。だけど、このトークをそのまま直接日本のLGBTに当てはめることはできないでしょう。こういうことを考えるのを、文脈化ともいいますね。


大統領がパブリックにはっきりと同性婚を支持する国では、マジョリティである異性愛者の人たちも自分たちの問題としてLGBTのことを日常的にまじめに考えています。

日本で、LGBTのことは「私たち日本人」全体の問題と受けとめ、事あるごとに考えている人はどのくらいいるでしょうか?

LGBTのカムアウトは自分の問題でもあると考えたことがほとんどない日本人が、LGBTがクローゼットの中でどんなふうに生きているかを、「自分の感覚」として感じることができるでしょうか?


ところで、以下のAsh Beckhamのアドバイスはどの人にもあてはまると思います。


  • Number one: Be authentic. Take the armor off. Be yourself. 
  • Number two: Be direct. Just say it. Rip the Band-Aid off. If you know you are gay, just say it.
  • Number three, and most important, Be unapologetic.

(transcriptからの引用。http://bit.ly/1s1dQ2j


  1. 自分に忠実であれ!鎧をとって、自分になれ。
  2. 単刀直入にいうこと。バンソウコウは一気にはがせ(笑)自分がゲイならゲイだって言えばいい。
  3. 謝る必要はない。自分がしたこと(What you did)に対しては謝らなければならない時もある。(浮気や借金などは、そうでしょうね。)だけど、自分であること(Who you are)=ゲイであることを誰かに謝る必要はない。
「クローゼットは人が真の意味で生きていける場所ではない。あなたが壁を突き破って出てくるのをみんな待ってるよ!」
(私の翻訳と解釈)


日本でも、クローゼットの外で待ってくれている人が増えたら、きっとクローゼットから出てこれる人も増えるはず。

みんなが真の意味で人生を生きられる喜びを、みんなで分かち合える日本社会をつくっていきたいものですね。



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